# AIで個人向けフィッシングを自動生成、大学職員実験でクリック増

> ベルリン工科大学などの研究チームが7,741人を対象に実験。個人向けメールは一般的なメールよりクリックされやすく、作成費は約3セントでした。

Oossa · 2026-10-27 · https://oossa.com/ja/ai-2577879

ベルリン工科大学などの研究チームは、公開情報をもとにAIで一人ひとりに合わせたフィッシングメールを作り、大学職員を対象に効果を調べました。ITmediaによると、実験対象は7,741人。検索エンジンでメールアドレスを調べ、ネット上に経歴や所属などの情報が見つかった4,010人のうち、3,310人に個別のメールを送っています。

ITmediaは、全員に同じ文面を送るメールのクリック率を3.9％、AIが個人向けに作ったメールを10％と報告しています。記事は差を2.74倍としていますが、数字を単純に割ると約2.6倍です。研究チームの所属機関BIFOLDは2.4倍と説明しており、公開された要約間で倍率に違いがあります。USENIXの説明も、AIによる個人向けメールは一般的なメールのクリック率をほぼ3倍にしたとしています。

## 作成費は1通約3セント

研究では、複数のAIモデルを使い、公開情報から相手のプロフィールを作成。その人に合う差出人と文面を自動生成しました。ITmediaによれば、約4,000通の作成にかかった時間は約50時間で、費用は1通あたり約0.03ドルです。一方、専門家が手作業で作った個人向けメールのクリック率は24.2％でした。研究の説明では、手作業のメールは最も高い効果を示したものの、同じ規模と費用で用意するのは難しいとされています。

防御側にも課題が見られました。ITmediaによると、大学のメールフィルターは3,949通のうち不審と判定したのが1通だけでした。BIFOLDは、参加者が研究に参加することを事前に知り、全員がセキュリティ訓練を受けていたこと、使ったのが簡易なローカル実行モデルだったことを挙げています。実際の攻撃で同じクリック率になるとは限りません。研究チームは、メールアドレスと結びつく個人情報を公開しすぎないことや、訓練に個人向け攻撃を取り入れることを提案しています。

## 事実

- 実験の対象は大学職員7,741人で、AIによる個人向けメールは3,310人に送られた。
- ITmediaはクリック率を一般的なメール3.9％、個人向けメール10％と報告した。
- AIによる個人向けメールの費用は約0.03ドル（約3セント）とされた。
- BIFOLDによると、研究は2026年8月12日にUSENIX Security Symposium 2026で発表予定だった。

## なぜ重要か

職場でメールを使う人にとって、差出人名や仕事の話題が自然でも、それだけで安全とは判断できません。今回の実験ではメールフィルターがほとんど検出しませんでしたが、研究参加者は事前に研究を知らされていたため、実際の職場で同じ結果になるかは分かっていません。

## 出典と参考資料

1. [メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験](https://www.itmedia.co.jp/news/article/2610/27/2000002550/) – ITmedia AI+, 2026-10-27
2. [BIFOLD](https://www.bifold.berlin/news-events/news/view/news-detail/ai-goes-phishing) – BIFOLD
3. [USENIX](https://www.usenix.org/conference/usenixsecurity26/presentation/czybik) – USENIX

最終更新: 2026-10-27
