KDDIは、レベル4自動運転車を1人で複数台見守る「1対N型」の遠隔監視を支援するAIエージェントを開発しました。車両に異常が起きて停車すると、車載カメラの映像や車両情報をもとに状況を分析。監視者に、どの車両を先に対応すべきかと、緊急通報や現場への駆け付け手配などの推奨行動を示します。
特徴は、最初の異常だけでなく、停車後の状況変化も追うことです。たとえば落下物が飛んでくることや、周囲の交通状況が変わることを検知し、対応の優先度を更新します。監視者が別の車両に対応している間も、各車両の変化を分析する仕組みです。推奨行動とその理由は、画像と文章で監視画面に表示します。
KDDIは「モビリティコントロールセンター」で、複数車両に異常が同時発生する状況などを模擬した実証を11月に始める予定です。実証で有効性を確かめ、KDDIスマートモビリティと改善を進めます。社会実装は2027年以降の早期を目指します。
判断を支える役割
このAIは、視覚言語モデル(映像と文章を扱うAI)を使って車両映像と各種情報を組み合わせます。ただし、発表内容ではAIが車両を操作したり、緊急対応を自動で実行したりするとは説明されていません。レベル4の遠隔監視では、異常時の対応を担う主任者の配置が必要とされており、今回の仕組みは監視者の判断を支援するものです。
なぜ重要か
自治体や交通事業者にとって、異常が複数の車両で重なった際に、監視者が対応の順番を判断する手がかりになる可能性があります。ただし、実証はこれからで、監視負担や運行コストをどの程度減らせるかはまだ分かっていません。