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東北大とアイシン、32MBのSTT-MRAM搭載AIチップを開発

外部のDRAMやSSDに頼らず、電源投入からOS起動までを65.7ミリ秒に短縮。Tiny YOLOv3で処理速度や消費エネルギーを評価しました。

著者: Oossa公開日: 1 分で読める

Michael Dziedzic · Unsplash

東北大学とアイシンは、32MBのSTT-MRAMを搭載した16nmプロセスのAIチップを開発しました。STT-MRAMは、電源を切ってもデータを保てるメモリです。両者によると、AIモデルのデータとOSの起動データをチップ内に置くことで、起動時に外部のDRAMやSSDからデータを読み込む必要をなくしました。大学は、STT-MRAMを搭載した16nmのAI SoCとして世界初としています。

電源投入からOS起動までの時間は65.7ミリ秒。従来方式の2535.3ミリ秒と比べ、38.59倍速くなったといいます。画像の物体検出に使うAIモデル「Tiny YOLOv3」では、AI処理時間が従来の約10分の1、システム全体では25.2倍の高速化を達成しました。1フレームの検出に必要なエネルギーは50.7ミリジュールで、従来比約50分の1と発表しています。これらは開発チームが示した測定結果です。

チップ内のメモリをどう使う?

このチップは、AIアクセラレーターの近くにメモリを置き、データの移動を減らす「近メモリコンピューティング」を採用しています。CPUにはArmのCortex-A53を2コア、GPUにはMali-G31を搭載。AIモデルのデータを限られたメモリに収めるため、8ビットと16ビットを組み合わせる演算方式や、複数の計算で重みを共有する技術も使いました。

アイシンと東北大のチームは、Tiny YOLOv3のモデルデータを17.7MBから9.36MBに縮めたとITmedia AI+は報じています。検出精度を示すmAPは0.325から0.316への低下にとどまったとのことです。チップの技術は、2026年11月1~4日に台湾・新竹市で開かれる半導体回路の国際会議「A-SSCC 2026」で発表する予定です。

実用化の範囲はまだ不明

外部メモリとのデータ転送を減らせれば、車載機器やカメラ、ロボットなど、起動の速さや電力が重要な端末で役立つ可能性があります。ただし、今回示されたAI処理の評価はTiny YOLOv3による物体検出です。ほかのAIモデルでの性能や、製品への搭載時期は発表されていません。

なぜ重要か

車載機器やカメラなどの端末では、起動を速め、外部メモリとのデータ転送を減らせる可能性があります。一方、確認された評価はTiny YOLOv3を使ったものに限られ、製品化の時期や他のAIモデルでの効果はまだ分かっていません。

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