Baiduは2026年10月27日、数百ページに及ぶ文書を1回のリクエストで読み取ることを想定した、オープンソースの光学文字認識(OCR)モデル「Unlimited OCR 2」を公開した。30億パラメーターのモデルで、MITライセンスのもと提供されている。BaiduのGitHubリポジトリには、TransformersまたはSGLangを使って実行する手順が掲載されている。
リポジトリによると、このモデルはSparse Reference Sliding Window Attention(SR-SWA)を採用している。文書全体の長さに応じてアテンション計算が増えていくのではなく、参照先を一定数に固定する方式で、Baiduは512トークンを例に挙げている。同社によれば、文書が長くなってもデコード時間とメモリー使用量をほぼ一定に保てる。ここで示した内容は同社の説明であり、提供された資料に独立した測定結果はない。
Baiduによると、Unlimited OCR 2は、約100ページの文書を対象とするベンチマークMarathonDocBenchで77.1を記録した。MarkTechPostもこのスコアを報じているが、入手可能な詳細には、ベンチマークのバージョンやテスト条件、比較対象のモデルが記載されていない。BaiduはMarathonDocBenchとMPDocBenchの両方で最先端の性能を達成したと説明しているが、提供された情報では、比較に用いたスコアはリポジトリに掲載されていない。
実行するには?
BaiduはTransformersを使った複数ページの推論手順を公開し、サーバー運用にはSGLangを推奨している。Transformersのサンプルは、Python 3.10とメモリー80GBのNVIDIA A800でテストされた。これはテスト環境であり、必要な最低ハードウェア要件として示されたものではない。
リポジトリでは、長い文書を少数ページのグループに分けて処理する、SGLangのページウィンドウ機能についても説明している。Baiduは、ウィンドウを小さくするとピーク時のメモリー使用量を抑えられる一方、ウィンドウの境目をまたぐ内容を関連付けにくくなる場合があると注意を促している。つまり、多数のページを1回のリクエストで処理できるからといって、どの環境でも文書サイズの制限なく扱えるわけではない。ハードウェアとサーバーの設定は引き続き重要だ。
なぜ重要か
長文の報告書や記録をデジタル化する組織にとって、1回のリクエストで処理できれば、各ページを別々のOCRジョブとして扱うのではなく、ページをまたいだ情報をモデルに活用させられる。BaiduはMITライセンスでモデルを公開しているが、提供された情報だけでは、特定の組織の文書に対する認識精度や、実際の処理に必要なハードウェアは分からない。