沖縄県の建設会社、福地組は、協力会社から届く見積書の内容を費用管理システムへ転記する作業に、AI文書処理サービス「LINE WORKS PaperOn」を導入しました。ITmedia AI+によると、見積書1枚の処理時間は、従来の10〜15分から約1分に短縮されました。
福地組は嘉手納町に本店を置き、うるま市と那覇市にも拠点があります。戸建て住宅や医療・高齢者施設、公共施設の建築、土木工事などを手掛け、協力会社は数百社に上ります。案件によっては見積書が100枚を超え、1社から数十ページの書類が届くこともあるといいます。
会社の検証で約7割短縮
協力会社ごとに見積書の書式が異なるため、工事費の見積もりや現場管理用の実行予算書を作るには、内容を手作業で入力する必要がありました。現場対応と見積もり提出を並行する従業員にとって、転記は長時間労働や心理的負担の一因になっていたと、LINE WORKSは説明しています。
LINE WORKSの発表によると、福地組の検証では、半日かかっていた作業が約30分で終わった例がありました。また、1案件で約40時間かかっていた作業が約12時間になったケースもあり、作業時間を約7割削減したとしています。これらは福地組の検証結果として公表された数字で、すべての案件で同じ短縮が確認されたという説明ではありません。
前身サービスから移行
福地組は複数のOCRサービスを比較し、まずPaperOnの前身にあたる「LINE WORKS OCR」を採用しました。その後、利用枚数に応じた料金体系や、工事案件ごとに書類を整理できる機能を評価してPaperOnへ移行したと、LINE WORKSは説明しています。同社によれば、異なる書式の見積書を事前設定なしで表形式のデータにでき、紙やPDFなどを読み取れます。
福地組は今後、利用者を増やし、月100時間近い作業削減を見込んでいます。見積書で得た効果を、ほかの帳票や社内の別部門にも広げる考えです。ただし、発表には利用料金の具体額や、読み取り後の確認作業にかかる時間は示されていません。
なぜ重要か
見積書の手入力に時間を取られている建設会社の担当者にとって、書式の違う書類をまとめてデータ化できれば、転記にかかる時間を減らせる可能性があります。一方、約7割の短縮は福地組の検証で報告された結果で、他社やすべての案件でも同じ効果が出るかは分かっていません。