Oossa

AIで個人向けフィッシングを自動生成、大学職員実験でクリック増

ベルリン工科大学などの研究チームが7,741人を対象に実験。個人向けメールは一般的なメールよりクリックされやすく、作成費は約3セントでした。

著者: Oossa公開日: 1 分で読める

Solen Feyissa · Unsplash

ベルリン工科大学などの研究チームは、公開情報をもとにAIで一人ひとりに合わせたフィッシングメールを作り、大学職員を対象に効果を調べました。ITmediaによると、実験対象は7,741人。検索エンジンでメールアドレスを調べ、ネット上に経歴や所属などの情報が見つかった4,010人のうち、3,310人に個別のメールを送っています。

ITmediaは、全員に同じ文面を送るメールのクリック率を3.9%、AIが個人向けに作ったメールを10%と報告しています。記事は差を2.74倍としていますが、数字を単純に割ると約2.6倍です。研究チームの所属機関BIFOLDは2.4倍と説明しており、公開された要約間で倍率に違いがあります。USENIXの説明も、AIによる個人向けメールは一般的なメールのクリック率をほぼ3倍にしたとしています。

作成費は1通約3セント

研究では、複数のAIモデルを使い、公開情報から相手のプロフィールを作成。その人に合う差出人と文面を自動生成しました。ITmediaによれば、約4,000通の作成にかかった時間は約50時間で、費用は1通あたり約0.03ドルです。一方、専門家が手作業で作った個人向けメールのクリック率は24.2%でした。研究の説明では、手作業のメールは最も高い効果を示したものの、同じ規模と費用で用意するのは難しいとされています。

防御側にも課題が見られました。ITmediaによると、大学のメールフィルターは3,949通のうち不審と判定したのが1通だけでした。BIFOLDは、参加者が研究に参加することを事前に知り、全員がセキュリティ訓練を受けていたこと、使ったのが簡易なローカル実行モデルだったことを挙げています。実際の攻撃で同じクリック率になるとは限りません。研究チームは、メールアドレスと結びつく個人情報を公開しすぎないことや、訓練に個人向け攻撃を取り入れることを提案しています。

なぜ重要か

職場でメールを使う人にとって、差出人名や仕事の話題が自然でも、それだけで安全とは判断できません。今回の実験ではメールフィルターがほとんど検出しませんでしたが、研究参加者は事前に研究を知らされていたため、実際の職場で同じ結果になるかは分かっていません。

この記事は役に立ちましたか?
共有

次に読む

Oossa · ニュースレター

今週のAIを、わかりやすく

毎週月曜日、知っておきたいニュースをやさしい言葉で。無料・スパムなし。