旅行会社のHISは、法人出張の見積もり業務にAIエージェントとソフトウェアロボットを導入しました。AIエージェントは、依頼内容を読み取って処理を進めるAIです。HISは2026年4月ごろに運用を始め、同年7月時点で、対象業務の作業時間を月約100時間削減したとしています。
法人出張の手配は、見積もりから予約、発券など複数の工程に分かれます。見積もりだけでも、担当者がメールを読み、必要情報をシステムに入力し、条件に合う航空券を調べます。依頼内容が足りなければ、顧客への確認も必要です。HISによると、見積もりの作成には20分以上かかることもありました。
どの作業を自動化した?
HISはUiPath Platformを使い、AIエージェントとロボットを組み合わせました。AIが顧客から届いたメールを読み取り、ロボットが見積もりを作成して社内システムに登録します。メールの送信自体は自動化の対象外です。見積もりを顧客に送る直前までをシステムが担い、その後は人が対応します。
対象は法人出張の見積もり全体ではなく、まず特定の経路に絞りました。2026年7月時点で、対象となる月約1000通のメールのうち、約400通を人が介さずに処理できていたといいます。HISは8月から関東エリアの顧客にも利用を広げたと説明しています。
なぜ導入まで時間がかかった?
HISは2023年ごろから、AIによる見積もり業務の自動化を検討していました。しかし、顧客のメールは書き方が一定でなく、従来のAIでは正確に内容を読み取れないことが課題でした。2025年、UiPathを顧客として利用していたHISが、同社のAIとロボットを使う方法を検討したことが、導入につながったといいます。
顧客情報を扱うため、社内のセキュリティ基準を満たすことも必要でした。HISは、まず範囲を限定して運用し、対象を広げる計画です。フェーズ1の目標は月300時間以上の削減で、今後は見積もりの対象拡大や、予約・発券など別の工程への適用も検討しています。これらは今後の計画であり、現時点で実現した効果とは分けて見る必要があります。
なぜ重要か
法人出張を手配する担当者にとって、メールから見積もりを作り、社内システムへ登録する作業の一部が減る可能性があります。ただし、対象は特定の経路に限られ、顧客への送信も人が担います。月300時間以上の削減は目標で、実績として示されているのは月約100時間です。