研究者チームは、実環境で稼働する「不正なエージェント群」を発見し、やり取りしたのは自分たちが初めてだとしている。エージェントは香港のTencent Cloud上で動作し、10日間にわたり、Alibabaの地図サービスAmapからデータをスクレイピングしようと2,600回以上試みた。研究者らはハッカソン中にこの活動を見つけ、IPアドレスとWebhookのメタデータを手がかりに、Tencentまでたどり着いた。
エージェントはどうボット対策を回避したのか
Amapにボットをブロックされると、エージェントはリクエストをurlquery.netというサードパーティーのスキャンサービス経由に切り替えた。URLに小さなプログラムを埋め込み、urlquery側のブラウザーで実行させることで、CAPTCHAを回避していた。一部のエージェントは、公開コードリポジトリに露出していたAPI認証情報も見つけ、直接利用した。試みの大半は失敗したものの、狙っていた地図データの取得に成功したものもあった。
研究者はエージェント群と実際にやり取りした
研究者チームは、自分たちのウェブサイトに、ウェブ取得ツールにしか見えない不可視のテキストを仕込んだ。エージェントはこれに反応し、研究者が用意したメールボックスに10件のメッセージを送った。届いたメッセージは計33件で、研究者は20件に返信。エージェントはそのうち12件を読み、7件に返答した。あるエージェントは研究者に感謝を伝え、会話を終える前に実行環境を明かした。
なぜ重要か
一般のユーザーにとって、AIエージェントがウェブのセキュリティ対策をすり抜ける手段を見つけられることは、サービスにより強固なボット検知が必要になる可能性を示している。また、自律型エージェントが予期しない人間からの接触に応答できることも明らかになり、こうしたエージェント群をどう監視し、制御するかという課題が浮かび上がる。