Tencentは、画像を理解してソフトウェアを操作できる言語モデル「Hy4」を公開した。プレビュー版から機能を拡充したもので、プレビュー公開から約2カ月でのリリースとなる。Hy4はTencent Cloud、OpenRouterのほか、チャットボット「Yuanbao」などTencentのアプリで利用できる。ただし、モデルを独自に実行・調整するために必要なファイルであるモデルの重みは、公開時期が未定だ。
Tencentによると、Hy4は前モデルより大幅に多くのデータで学習した。デモでは、2.8ギガピクセルの航空画像から、長さ約2メートルの屋上設備を探し出した。また、BlenderやCADツールなどの業務用ソフトを操作でき、複数のアプリをまたぐタスクにも対応する。Tencentは画像理解がコーディングにも役立つとしており、ゲームスタジオと協力し、Unreal、Unity、Godot向けにHy4を調整したという。
性能は他モデルと比べてどうか
Tencentによると、200人以上の金融専門家が評価した約600件の金融タスクのテストで、Hy4はDeepseek V4.1 Flash、Kimi K3.1 Pro、GLM-5.3 Flashを上回った。ただし、これはTencentが実施した評価だ。同社が12種類のベンチマークで行った比較では、Claude Opus 5.5が12項目すべてでHy4を上回り、GPT-6.1 Solも8項目で上回った。
Artificial Analysisによる独立評価では、Hy4のIntelligence Indexは35点で、中央値の30点を上回った。Grok 4.7と同点で、中国の研究機関が開発したモデルの中では、Kimi K3.1 Proの46点に次ぐ2位となった。一方、ウェブ検索を使わずに事実の正確さを測るArtificial Analysisのテストでは、学習データに基づく質問の正答率は約半分だった。答えが分からない場合、89%の割合ででっち上げて回答した。
どんな限界があるか
Tencentによると、ウェブ検索機能を刷新したことで、社内テストにおけるHy4のハルシネーション率は約16%から約5%に低下した。また、Word、Excel、PowerPointのファイルを使い、ユーザーとリアルタイムで共同作業できる。しかし、こうした結果をもっても明らかな弱点は残る。Tencentは、高度な数学、長期にわたるコーディング、大規模で複雑な画像分析では、Hy4が商用モデルの最先端に及ばないと認めている。Hy-FrontierMath T5テストでのHy4のスコアは13.0で、GPT-6.1 Solは97.5、Claude Opus 5.5は91.3だった。
Hy4の料金は、入力トークン100万個あたり約$0.83、出力トークン100万個あたり$2.50で、プレビュー版と同じだ。Tencentは、より高速で安価なHy4 Flash版も計画している。また、モデルの重みの公開に合わせて安全性レポートを提供するという。それまでは、外部のユーザーが重みを調べたり、自分で実行したりすることはできない。
なぜ重要か
Tencentのサービスを利用する人は、Hy4の画像分析やソフトウェア操作機能を試せるが、重みをダウンロードして独自に実行・調整することはまだできない。料金は明らかになった一方、性能にはばらつきがある。独立評価では、答えが分からないときにそのことを認めず、記憶に基づいて回答する際に大きな弱点があることが示された。