Anthropicは米中間選挙を前に、Associated Press(AP)と提携し、ニュース媒体との初のライセンス契約を結んだ。この契約により、選挙当夜にClaudeがAPの開票速報を表示し、情報源としてAPを明記できるようになった。Adweekが契約に詳しい2人の話として報じた。
この契約により、Claudeは刻々と変わる選挙の数字を得るための明確な情報源を持つことになる。これまでチャットボットは、媒体が提供する最新データにアクセスできず、こうした情報の扱いに限界があった。ただし、これまでに明らかになっている用途は、選挙当夜にAPの開票速報を表示することに限られる。金銭的条件と契約期間は公表されておらず、開票速報以外にも適用されるかは不明だ。
方針の転換
Anthropicはこれまで、こうしたライセンス提携を拒んできた。媒体の記事をスクレイピングして利用することは、フェアユースのもとで法的に認められると主張していた。一方、出版社各社は、同社に交渉を促すため、Anthropicのウェブクローラーをブロックしてきた。今回のAPとの契約は、少なくともAPのデータをこの用途で使うことについて、こうした対立から方針を転換したことを示している。
Anthropicが参入するのは、競合のOpenAIがすでにAxel Springer、News Corp.、The Atlanticなど十数社を超える出版社と契約を結んでいる分野だ。APはGoogleとOpenAIにとっても初のライセンス提携先だった。報道機関が契約を通じてコンテンツを提供する取り組みにおいて、APは複数の大手AI企業と関わる立場にある。
この契約で明らかになっていないこと
今回の発表から、ClaudeがAPの報道に幅広くアクセスできるようになったとは言えず、ほかの種類のニュースに関する質問も契約対象かどうかは分からない。具体的に明らかになっているのは、出典を明記してリアルタイムの開票速報を表示する用途だけだ。この違いは重要だ。限られたデータフィードでも、刻々と状況が変わる出来事を伝える助けにはなるが、ニュース全般についてチャットボットが信頼できる最新情報を提供できるかどうかは分からない。
この契約によって、出版社のコンテンツを使ったAIの学習や質問への回答をめぐるAnthropicの法的な立場が決着するわけでもない。少なくとも特定のニュース用途についてライセンス契約を結んだことは示されたが、契約条件や、より広い範囲での利用については明らかにされていない。The Decoderの報道は、Anthropicが株式公開に近づいているとも伝えているが、その可能性とAPとの契約を結びつける詳しい説明はない。
なぜ重要か
Claudeで選挙結果を確認する人は、最新のAPの数字を、情報源がAPであると分かる形で見られるようになった。これまではチャットボットが媒体の最新データにアクセスできる範囲に限りがあった。公表された用途は限定的であり、ClaudeがAPのほかのニュースをどれほど提供できるのか、また回答が最新のものかどうかは明らかになっていない。