ケビン・オレアリー氏がユタ州に提案したデータセンター拠点は、StratosまたはWonder Valleyの名称で知られ、4万エーカーの敷地に9ギガワットの電力を供給する構想だった。しかし、The VergeのJosh Dzieza氏が同誌のポッドキャスト「Decoder」で語った調査によると、住民や多くの地元当局者が計画を知ったのは、公表の直前だった。
この計画は、指定された事業区域で土地利用に関する地元の権限を引き継ぐ権限を持つ州機関、ユタ州軍事施設開発局(MIDA)を通じて進められた。Dzieza氏によると、承認権限を持つ郡当局者には、手続きがかなり進むまで計画が知らされていなかった。提案が公表されると、住民はすぐに反対運動を組織した。
反発が広がった経緯
反対派には、水資源や減税措置、AIの役割など、さまざまな懸念を持つ人々が加わった。縮小が続くグレートソルト湖に近いことも、住民の不安を強めた。開発業者は、計画によって湖に流れ込む水が減ることはないと説明したが、住民は納得しなかった。
この争いは政治的な痛手にもなった。郡政委員2人が議席を失い、MIDAの議長を務めていたユタ州上院議長のJ. Stuart Adams氏も落選した。オレアリー氏はテレビ番組で批判者を「中国のスパイ」と呼んで攻撃したが、後に謝罪。Fox Newsも放送で発言を謝罪した。その後、名誉毀損訴訟が起こされた。
計画の行方は不透明
地元の活動家らは、郡による計画への同意を撤回する住民投票を求めた。郡はこれを却下し、現在、争いは訴訟で争われている。訴訟の進行中、計画は一時停止しているが、Dzieza氏は計画が頓挫したわけではなく、実現するかどうかも分からないと述べた。
調査では、大手テクノロジー企業が必要とする前に、データセンター用の土地や電力を確保しようとする動きが広がっていることも取り上げている。計画のなかには、発表や提案にとどまり、建設資金が確保されていないものもある。Stratosでは、構想の規模と急ピッチな進め方が、蚊帳の外に置かれたと訴える地域社会と衝突した。
なぜ重要か
データセンター計画の候補地周辺に暮らす住民にとって、ユタ州の事例は、州の開発機関が地元の土地利用を左右する一方、住民への計画の説明が遅れる場合があることを示している。反発を受けてStratosは一時停止しているが、訴訟が続いており、今後の行方は不透明だ。