WeChat Search向けの新しい検索システム「WeSearch」が、サービスの本番トラフィックの100%を処理するようになったと、開発者らが発表した。全トラフィックを対象に1カ月間実施したA/Bテストでは、クリック率(CTR)が0.68%上昇し、ユーザー1人あたりの記事クリック数が2.27%増えたという。また、検索にかかるリソースコストを41%削減し、画像・テキスト検索のレイテンシを19ミリ秒短縮した。
このシステムは、数億から数十億件の文書を含むコレクションから、関連性の高い情報をWeChat Searchが見つけられるように設計されている。すべての文書に対し、トピック階層の中で固定の経路を割り当てるのではなく、まず検索クエリに関連する可能性のある文書群を特定し、その中から個々の文書を順位付けする。開発者らによれば、この方式は、複数のトピックを扱い、単一の固定経路に当てはめにくい文書の検索に役立つ。
検索システムの中でどんな役割を担うのか
WeSearchはWeChat Searchのセマンティック検索を担い、語彙的な構文木と連携する。簡単に言えば、WeSearchが意味に基づいてコンテンツを見つける一方、もう一方の仕組みは単語や構造に基づく照合を担当する。開発者らは、WeSearchを検索機能全体の置き換えとしてではなく、両者が連携して動作するものと説明している。
このフレームワークでは、文書をコンパクトに表現し、関連性を考慮した学習も行う。インデックスは段階的に更新できるため、開発者らはモデルを毎週、必要に応じて毎日更新できる。コンテンツが絶えず変化する検索サービスでは、インデックスを全面的に再構築するまで更新を待つ必要がなくなる。
開発者らは、規模の異なるコレクションを使った1週間のA/Bテストで一貫した改善が見られたと報告しているが、概要には各テストの数値は示されていない。また、CTRの変化をどのように算出したか、独立した評価が行われたかも明らかにされていない。そのため、報告された1カ月間の結果は、WeChat Search内で測定されたWeSearchの性能を示すものであり、他の検索システムとの一般的な比較ではない。
なぜ重要か
WeChatで検索する人にとって、開発者らの報告は、クリックされやすい記事を見つけやすくしながら、検索に必要なリソースを減らせる可能性を示している。ただし、示された改善はWeChat Searchに限られる。検索のたびにユーザーが変化を実感できるのか、またCTRの数値がどのように算出されたのかは、概要からは分からない。