Salesforceは、カスタマーサービスの電話対応向けAIソフトウェアを手がけるCrestaの買収に合意した。買収額は公表していない。SiliconANGLEによると、The Informationは取引額を27億ドルと報じた。
Crestaのソフトウェアは、顧客からの電話に対応したり、サービス担当者をリアルタイムで支援したりできる。Salesforceによると、Crestaの音声エージェントは、会話が中断される場合も含め、複雑で大量の電話に対応できる。導入企業としてMarriott、Comcast、Alaska Airlinesを挙げている。買収により、Crestaの会話分析機能と、Salesforceの顧客記録およびカスタマーサービス製品「Service Cloud」が結び付くことになる。
Crestaのソフトウェアでできること
Crestaでは、返品など特定の問い合わせに合わせて音声エージェントを調整し、使用するAIモデルやコンプライアンス規則を設定できる。複雑な依頼を複数のエージェントが処理できる小さなタスクに分けるツールも提供している。あらかじめ用意されたエージェントの1つ「Deputy」は、複雑なサポート案件に必要な情報を集め、解決に必要な担当者につなぐ。
同社は、通話中に人間の担当者を支援するソフトウェアや、AIが生成した会話を使って新しいエージェントをテストするツールも販売している。Salesforceによると、買収完了後も、Crestaは顧客がすでに利用しているコンタクトセンターや電話システムへの対応を続ける。つまり、今回発表された買収だけを理由に、顧客がプラットフォームを切り替える必要はない。
今年2件目となる大型カスタマーサービス企業の買収
SiliconANGLEによると、CrestaはSalesforceにとって今年2件目の、数十億ドル規模のカスタマーサービス関連企業の買収となる。Salesforceは以前、Fin(旧Intercom)を36億ドルで買収することで合意した。また先月には、マーケティング企業Brazeを56億6000万ドルで買収する契約を結んだ。
Salesforceは、通常の完了条件と規制当局の承認を前提に、Crestaの買収を2028年度第1四半期に完了する見込みだ。SiliconANGLEによると、SalesforceはBrazeとCrestaの買収を、翌年2月に始まる2028年度中に完了する見通し。Crestaの機能がSalesforce製品にいつ組み込まれるかは、両社とも明らかにしていない。
なぜ重要か
SalesforceとCrestaを利用する企業にとって、今回の買収により、顧客との通話から得られる情報がSalesforceの顧客記録やサービスツールと将来的に連携する可能性がある。統合の時期は両社から発表されていないため、買収完了前にサービスが変わると考えるべきではない。